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F.バルデスの不正投球疑惑について

ワールドシリーズ第2戦で6.1回1失点の好投でチーム勝利に貢献したアストロズのF.バルデスの不正投球疑惑が話題となっています。

上の映像を見ればわかるとおり、手の甲を触る行為や、手首の裏を触る行為により、粘着物質の使用が疑われることとなっています。

今回はバルデスやワールドシリーズに先発した投手(リリーフでは球数が多くないので、あまり参考にならない)の各球種のスピンレート(回転数)をもとに考察していきたいと思います。

バルデスの投球について

バルデスのワールドシリーズ第2戦の各球種のスピンレートを以下の表にまとめました(画像をうpしようとしたが画質が非常に悪かったorz)。

Pitch TypeCountMaxMinAvgYr-Avg+/-
Sinker45242221182259220356.0 ↑
Curveball42316427082927284879.0 ↑
Cutter10290026082752267379.0 ↑
Changeup6175516651717163186.0 ↑
4-Seam Fastball12307230723072192115.0 ↑

引用元:https://baseballsavant.mlb.com/

全体的に回転数が上昇している傾向にあります。
しかし、回転数の大幅な上昇は見られないため(4-シームだけ大幅に上昇しているが、バルデスは1球しか投げていない無視することにする)、粘着物質によって回転数を上昇させたという可能性は低いと考えられます。
また、ワールドシリーズではレギュラーシーズンと違うボールを使用しており、ボールが変わったことで回転数が上昇した可能性が考えられます。
次に他の投手のスピンレートを比較してボールが変わったことによる回転数の上昇の可能性を考察していきます。

ワールドシリーズに先発した投手の投球について

ワールドシリーズではアストロズは第1戦にJ.バーランダーが先発しており、フィリーズは第1戦にA.ノラが先発しており、第2戦にZ.ウィーラーが先発しています。
各投手の各球種のスピンレートを以下の表にまとめました。

J.バーランダー

Pitch TypeCountMaxMinAvgYr-Avg+/-
4-Seam Fastball5925662256242324230
Curveball19288825712735264392.0 ↑
Slider122544228824632465-2.0 ↓

A.ノラ

Pitch TypeCountMaxMinAvgYr-Avg+/-
Knuckle Curve262879251127252589136.0 ↑
4-Seam Fastball222542220224172308109.0 ↑
Sinker162483222323402198142.0 ↑
Changeup10166914171540148258.0 ↑
Cutter72356229923232212111.0 ↑

Z.ウィーラー

Pitch TypeCountMaxMinAvgYr-Avg+/-
Sinker21240321682277222552.0 ↑
Slider20263424262548245989.0 ↑
4-Seam Fastball15256523552470239080.0 ↑
Curveball112653244325812654-73.0 ↓
Changeup22243166519541557397.0 ↑
引用元:https://baseballsavant.mlb.com/
回転数は全体的に上昇傾向にあり、バーランダーの以外4-シームとスライダー、ウィーラーのカーブ以外の球種は回転数が上昇しています。
また、スピンレートの上昇幅がバルデスより大きくなっている選手もいます。
よって、ボールが変わったことにより回転数が上昇する傾向にあると考えられます。

結論

ワールドシリーズ第2戦でバルデスの各球種の回転数は上昇していますが、上昇幅が大きくなく、また、他の投手も回転数が上昇傾向にあるため、バルデスの不正投球の可能性はないと考えられます。

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